小説?
第3話 『初めての 屋根裏』 「おー!!」 律は目を輝かせながら、初めて入る社の領域に感動していた。 あまり使わない場所なのか、明かりの入る隙間などないこの部屋は、埃っぽく、心なしかじめじめしていた。 この社に来て初めて来た『屋根裏』。 暗くて目を…
第二話 『織(おり)と 律(りつ)』 人里から離れた、誰からも祀られる事のなくなった社。 今日も元気よく社の扉を開け、茶色の子猫が飛び出した。が。 突然、糸の切れた人形のように、子猫がぴたりと止まった。 「りーつ。どうした?」 一人の青年がそう言いな…
第一話 『小さな命 二つ』 その日は冷たい雨が降っていた。 「ちや、何処までいくの?」 雨宿りしていた烏が人の言葉を発し、赤茶けたボサボサ髪の青年に話し掛ける。 立ち止まり、烏に視線を向けると、『千弥』と呼ばれた男は困ったように笑った。 「ちょっ…
小高い丘に彼女は立っていた。 風が吹き、青緑色の髪を宙に遊ばせ、胸元の大きく開いた服と同じ色の赤いリボンが髪と仲良くダンスを踊る様にふわふわと揺れ動いている。(心地良い風―) そっと目を伏せ、風を全身で感じる。 さっきまで彼女の見ていた視線の先…
書こうとして断念したもの。 緋依の日常は、猫が中心だ。 息子(笑)のみるきー、 長女(大笑)のびすこ、 次女(爆笑)のちぇるしぃ、 みんな可愛い我が子だ。みるきーとびすこは白い 子猫。 ちぇるしぃは、茶トラの子猫だ。この間、海賊ごっこをして 遊んだと子…